「S課長補佐!」
「S課長補佐は、特別勘定運用部のファンドマネージャーという仕事をされています。」
「ファンドマネージャーという仕事をされている位ですから、株式投資には、自信があるということですよね!!!」
「はい。あります。仕事ですからね。」
「儲ける自信があるということですか?」
「はい。特別勘定運用部で、僕はパッシブ運用じゃなくて、アクティブ運用を行っています。」
「だから、ある程度インデックスをアウトパフォームする自信があります。」
「なるほど。じゃあ、ご自分でも投資をやられているんでしょうか?自信がおありならば、信用取引を使ってガツンと投資されれば良いと思います。」
「いえ、自分のお金はすべて郵便貯金です。」
「株式投資はリスクもあるし・・・。」
「まあ、そんな所です。。。(笑)はい、次の質問〜」
僕がインターネット・インベストメント・テクノロジーという会社を創業しようと思った第2の情熱は、ここにある。
このやりとりは、実際に僕が日本生命に入社した年の新入社員研修で、起こった出来事だ。
生命保険って商品は、複雑に出来ているけれど、簡単に言えば、宝くじみたいなシステムだと思う。
保険会社は、顧客から保険料という名の掛け金を徴収しながら、死差益(予定していた死亡率>実際の死亡率)というスプレッドをふんだんに抜き続ける。
そしてそのお金を運用し、今度は、利差益(予定していた運用利回り<実際の利回り)という名のスプレッドを抜き続ける。
ここからは、僕の持論だけど、バフェットの成功は、保険会社の買収による所が、非常に大きいと思う。
保険会社を買収することによって、金利を払うどころか、死差益という収入を得ながら、自己資本の何倍ものお金を運用できるわけだから。
そして、運用が普通どおりに推移すれば、今度は、利差益という名の、プロフィットが手中にはいる。
保険ビジネスというのは、経営する側や、オーナーサイドにとっては、本当に素晴らしいビジネスモデルだと思う。
今になってみれば、こんな風に冷静に分析して、「まー、サラリーマンだから、しょうがないでしょ。」なんて言葉で済ませられるけど。
僕には、特別勘定運用部のS課長補佐の言葉は信じられなかった。
「なんで、運用で飯をくっていて、自信がある奴が、マイマネーで投資したことがないの?」ってな具合に。
この考えは、エンジュクでの仕事、そして今回の起業に大きな影響を与えていると思う。
「最高の投資家が、投資教育なり投資情報の提供を行うべきである。」
きっとこの考えは、僕の中から、ずっと消えないと思う。
というか、こんな当たり前のことが、守られていないのが、現状の投資情報業界、そして投資教育業界の現状だと思う。
こんなこと書くと、力をもってる会社に相手されなくなるかも知れないけど、あえて書こう。
爆撃銘柄だ、推奨銘柄だ、インサイダー情報だ、とっておきの情報だ!
そんなことで、投資家をあおってる、投資情報会社、投資顧問会社の経営陣殿!
胸に手をあてて、考えてみてください。
あなた達がやっていることは、詐欺となんらかわりがない。
人をだまして得た金なんて、良いもんじゃないでしょう。
まあ、これを言ったら、評論家の先生方もいっしょだな。
投資をやってない人なんて、多分一杯いる。
マーケットの世界で勝ち続けることは、容易なことじゃない。
でもね。
自己資金での投資を一定程度やってない奴が、投資情報の提供、投資教育、そして実際の投資ビジネスを手がけるのは、まずいと思う。
いや、その事実を、しっかりと伝えていない、この社会がまずいと思う。
だって、そうでしょ。
野球をやったことがない奴が、うち方なり、投げ方を教えているんだから。
それは絶対に、間違ってる。
この文章を見た瞬間に、このウインドウを嫌になって閉じちゃう業界関係者って多いと思う。
でもね、僕は、この意見が絶対に正しいと思っている。
今日、偶然にも、投資は娯楽だ、エンターテイメントだ!なんて意見を目にする機会があった。
マーケットで、これまで生き延びてきた投資家として、その意見に真っ向から反対させていただく。
マーケットは、エンターテイメントなんかじゃ決してない。
欲望と、恐怖という、人間が根本的に持っている感情によって支配された戦場で、孤独に戦っていく人間しか、生き残っていけないのが、マーケットだ。
エンターテイメント?
笑わせんじゃねー!
んなこといってるやつは、今すぐ銀行口座の写しと、証券口座の写しをもって、オレのとこにこい!
すみません。(笑)あつくなりました。
そうそう。
IIT起業の情熱。
それは、本当に投資を実践し、そして一定程度の実績と経験を有している投資家こそが、投資情報ビジネス、そして投資ビジネスに携わるべきである!
っていう、体験から得た僕の強い想いが、根底にある。
そして、それに理解を示してくれた、スーパー投資家達が、役員になり、経営顧問になり、そしてお客さんになって、立ち上がったのが、IITという会社だ。
とにも、かくにも、特別勘定運用部のファンドマネージャーには感謝してる。
僕に、生涯をかけて取り組める、天職ともいえる仕事に導いてってくれたわけだから。
